
E217系電車(E217けいでんしゃ)は東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流近郊形電車。
1994年(平成6年)12月3日に営業運転を開始した。
横須賀線、総武快速線を中心に総武本線(千葉〜成東間)、成田線、鹿島線、外房線、内房線の一部列車にも使用されている。また、東京方面や三浦半島方面から成田空港駅まで直通運転されているエアポート成田にも使用されている。
概要
1994年、横須賀線・総武快速線に運用される113系の老朽取り替えを目的として登場した。ステンレス車体であるが、車体に巻く帯のラインカラーは113系の「横須賀色」(通称:スカ色)と呼称されていた青とクリームの混合となっている。グリーン車を含む11両の基本編成と4両の付属編成とで構成される。
基本編成の電動車と付随車の比率(MT比)は4M7T、付属編成のMT比は2M2Tである。
1999年(平成11年)10月19日より総武快速線錦糸町駅〜千葉駅で、2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正より横須賀線品川駅〜大船駅間でそれぞれ最高速度120km/hでの運転を行っている。
1999年12月4日のダイヤ改正から横須賀線・総武快速線の列車はすべてE217系で運転されており、久里浜駅・逗子駅〜成田空港駅を結ぶ「エアポート成田」にも使用されている。
性能
制御装置はVVVFインバータ制御でGTO素子を採用している。
普通車は近郊形電車として初の4扉の車体構造を採用し、209系を近郊形にアレンジした車両であるが、運用条件上高速性能も要求されるために歯数比を6.06に低減した(209系は7.07)。このため起動加速度は209系より低い2.0km/h/sとなっている。
113系にも連結されていたグリーン車は、元々利用者が多かった事と成田国際空港アクセス(エアポート成田)による利用者を見込んで、211系の2階建てグリーン車をベースにした2階建車両を基本編成のうち東京・久里浜方面に向かって4・5両目の車両として2両連結している。なお付属編成を連結した15両編成では同じ方向で8・9両目となる。なお横須賀線・総武快速線では2006年3月18日のダイヤ改正よりグリーン車Suicaシステムが導入されるため、全座席の上部にSuicaをタッチするための装置(R/W(リーダ/ライタ))が設置される。また一部編成が東海道線に転属する車両も同時にSuicaをタッチするための装置が設置される。
なお、横須賀線の増結編成は下り久里浜駅方への増結という形式を採っている。これは分割・併結を行う逗子駅の構内配線の関係によるものであり、また逗子駅留置線の有効長の兼ね合いから4両付属編成となっている。2M3Tを所定の性能として設計されているために、基本編成単独の運用時は4M7Tとなり、設計性能から若干負担が大きくなるが、その際、設計所定の性能を発揮できる様に自動的にモータに流す電流の量(限流値)を増加させる機能を備え付けてある。
元々、設計段階では113系とは混用しながら取り替える計画であった事や、非常時に連結する事を想定してヨーダンパを付けていたため、113系との連結も可能であったが、ドアの数が異なるのと試運転時に問題が出たため現在は取り外されている。そのため営業開始時には限定運用となり現在まで営業運転で連結された事はない。また第3編成以降には当初から省略されている。
狭小トンネル対策は採られていないため、中央本線高尾駅以西などへの乗り入れはできない。
なお、横須賀線の車両投入を巡っては、113系・E217系共に東海道線の車両編成との統一(1〜11+12〜15/113系)(1〜10+11〜15/211系、検討時のE217系)が検討されたが、逗子駅構内配線の都合上、編成位置・両数共東海道線211系と合わせる事ができなかった事情がある(東海道線にも品川駅での増解結の向きの制約がある。)。
踏切事故対策の前面形状
1992年(平成4年)に成田線で起こった踏切事故の経験を踏まえて、踏切事故対応のために先頭車両の運転台部分の奥行きを長く確保している。これは後のE231系(近郊形)にも採用されている。同時期の209系では運転士の救出口が運転台背面に設けられたが、郊外運用・高速車両では運転台部分を衝撃吸収構造とする方針が採られている。
バリアフリーの接客設備
バリアフリーの観点から、209系より採用されているドア開閉時のドアチャイム音が採用しており、同様にE501系・E231系・E531系にも採用されている。
また、1997年(平成9年)からのクハE216形2000番台(11両基本編成の久里浜寄り先頭車)からは車いす対応の洋式トイレを備えている。
車両番台・所属
●0番台:セミクロスシート車
・基本編成中3両(成田空港駅・君津駅・成東駅・上総一ノ宮駅方向から1〜3両目)に組み込まれている。
・また基本編成中に組み込まれている2階建てグリーン車2両(久里浜駅方向から4・5号車)も同様である。
●1000番台:ロングシート車
・基本編成中1両(8号車)に組み込まれている電動車の弱冷房車及び付属編成の久里浜寄り先頭車。しかし、1997年以前のクハE216-2000が転用されたため、後者は24両のみ存在。
●2000番台:ロングシート車
・基本編成中5両(1〜3・6・7号車)と付属編成の全車。
・2004年11月時点で以下の車両が在籍している。
沿革
・1994年(平成6年) 量産先行車と量産第1号車が完成。
・1995年(平成7年) 基本量産車が投入。
・1998年(平成10年) この年の増備車からは方向幕が幕式からLED式に変更され、また品川〜錦糸町間の地下区間に対する法令変更(同区間は京葉線地下区間同様に長大トンネル扱いとなり、その区間を走行する車両の先頭車前面に非常口を設ける必要がなくなった)により非貫通型になった(外見上は従来車と余り変わらない)マイナーチェンジ車が登場。
・1999年(平成11年) 増備終了(その後東海道線への投入も予定されたが、E231系の投入で変更になり、そのまま製造が終了した。)
・2006年(平成18年)3月 一部編成(45両:基本編成33両、付属編成12両)が横須賀線・総武快速線から運用を離脱し、東海道線の211系及びE231系と同じく久里浜寄りに基本編成(10両)、東京寄りに付属編成(5両)へ編成を組み替え、同時にドアを半自動化した上でドアの横にドア開閉ボタンを設置し、東海道線・伊東線の113系の置き換えのために帯色を湘南色に変更し、国府津車両センターへ転属する事になった。これにより基本編成30両と付属編成15両が東海道線に活躍の場を移す予定である(但し、E231系とは運用が共通化できない事から、運用区間は東京〜平塚・国府津・小田原・熱海間が中心となり、JR東海及び伊東線への直通、湘南新宿ラインへの運用はない模様である。)。
使用路線
・横須賀線
・総武快速線
・総武本線
・成田線
・鹿島線
・内房線
・外房線
・なお、鎌倉総合車両センター所属車両は2001年(平成13年)12月1日から2004年(平成16年)10月15日まで湘南新宿ライン新宿駅〜横須賀線直通列車の運用にも就いていた。










